略奪宣言~エリート御曹司に溺愛されました~
「俺、まだ君のことなんにも知らないんだな」
「ありがとうございます」と手を伸ばしながら、琥珀の瞳の真っ直ぐな眼差しを感じる。
美郷はそれに捕まらないよう、あえて黄金色の缶へと視線を落とした。
「俺……もっといろいろ知りたい、美郷ちゃんのこと」
しっとりと言葉を落とした匠海の、悠々と缶を持つ長い指に目が止まる。
形のそろった爪が並んでいて、男の人の手なのにうっとりと見惚れてしまった。
「綺麗、ですね」
あたたかな缶を受け取りながら、思わずぽつりと心の声を零す。
「え?」
きょとんとする匠海の反応で、それが口から出ていたことに気がついた。
「す、すみません、その、前々から思ってて。匠海さんの手って凄く綺麗だなって……あ、いや、そうではなくて……っ」
男性に綺麗だなんて言葉は、褒め言葉にはならないかもしれない。
それなのに何度も口にしてしまい、掌を振ってその言葉を取り消そうとする。
「ありがとうございます」と手を伸ばしながら、琥珀の瞳の真っ直ぐな眼差しを感じる。
美郷はそれに捕まらないよう、あえて黄金色の缶へと視線を落とした。
「俺……もっといろいろ知りたい、美郷ちゃんのこと」
しっとりと言葉を落とした匠海の、悠々と缶を持つ長い指に目が止まる。
形のそろった爪が並んでいて、男の人の手なのにうっとりと見惚れてしまった。
「綺麗、ですね」
あたたかな缶を受け取りながら、思わずぽつりと心の声を零す。
「え?」
きょとんとする匠海の反応で、それが口から出ていたことに気がついた。
「す、すみません、その、前々から思ってて。匠海さんの手って凄く綺麗だなって……あ、いや、そうではなくて……っ」
男性に綺麗だなんて言葉は、褒め言葉にはならないかもしれない。
それなのに何度も口にしてしまい、掌を振ってその言葉を取り消そうとする。