略奪宣言~エリート御曹司に溺愛されました~
好きすぎて、離れたくない。
キスだけじゃ、足りない。
「家に連れて帰りたいな、このまま」
惜しむように離れてしまった口唇を酔った視線で追うと、匠海は美郷の頭を抱き寄せて甘く囁いた。
どきどきと急く鼓動に、匠海の思いが同調しているようだ。
「……ご実家、行くんですよね……?」
「そうだよ、時間は守らないとな」
「そうですよ」
「……じゃあさ……今夜、少し遅くなってもいい?」
琥珀の瞳を見上げると、そこに確かな熱情が揺れていた。
たぶん二人の気持ちは同じだった。
キスだけでは足らないと。
でも、これから大事な約束がある。
今のこの幸せな時間を、未来にもずっと続かせていくために。
もう一度だけ口唇を合わせてから、お互いの気持ちを確かめるように見つめあった。
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