略奪宣言~エリート御曹司に溺愛されました~
「美郷……」
「あ……」
優しかったキスはいつの間にか貪るようなものに変わっていた。
匠海に食べられてしまいそうで、息が苦しい。
それなのに、絡まる舌を解かないで欲しいと思う。
もっと、もっと、匠海を直接感じたい。
力ない瞼を持ち上げて、愛しい人を見つめる。
匠海もまた見つめ返してくれて、琥珀の瞳にたぎるような熱情を燃やしていた。
数時間前と同じ思いが、ふたりの間にあるとわかった。
匠海はすぐに美郷を抱え上げ、寝室へと向かった。
柔らかなベッドに横たえながら、頬にかかる髪をどけてそこにキスを落とす。
ゆっくりと美郷にのしかかり、瞼と額にキスをしてから、求めるように視線を交わした。
「ずっと、美郷といたい……」
「私も、匠海さんと……いたいです」
お互いの気持ちを重ね合わせるように口唇を触れる。
熱を持った匠海の口唇は、首筋をなぞってから開いた胸元に埋められた。
「あ……匠海さん……んっ」
女の感度の高いところを舐られて、思わず声が漏れる。
「美郷、好きだよ。愛してる……」
「匠海さん……っ」
するすると身体にまとう服はほどかれる。
重なる素肌があたたかくて、ふたりの境目が無くなっていくよう。
お互いを求める心とともに、ふたりは再びすべてを溶け合わせた。
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