略奪宣言~エリート御曹司に溺愛されました~
自分のコーヒーを持っている匠海は、もう片方の手で美郷の缶を簡単に開けてしまった。
「はい」
「ありがとうございます……」
受け取ったコーヒーからふわりと立ち昇る深い香りに心地よさを感じながら、自分のひょろっこくて弱そうな指と彼の指を見比べる。
長さも太さも違うし、小さな缶なんてすっぽりと包み込んでしまう。
丸く切り揃えられた爪が綺麗で、すらりとしていると思っていたのに、よく見れば骨ばった関節がたくましい。
缶を口元に寄せながらも、美郷は胸をくすぐってくる匠海の指をじっと見つめてしまっていた。
これが、男の人の手なんだ……。
……なんだか、ドキドキする。
「美郷ちゃん?」
缶に口をつけたまま動かなくなった美郷に、匠海が不思議そうに声をかけてきた。
はっと我に返り、匠海の声に上げた顔が火照っていることに気がついた。
「あっ、す、すみませんっ。いただきます!」
「どうぞ」
ごくりとコーヒーをあおって、熱い顔を誤魔化す。
匠海の指を見つめて勝手に彼を辱めてしまったような、妙な背徳感に心臓が早鐘を打った。
「はい」
「ありがとうございます……」
受け取ったコーヒーからふわりと立ち昇る深い香りに心地よさを感じながら、自分のひょろっこくて弱そうな指と彼の指を見比べる。
長さも太さも違うし、小さな缶なんてすっぽりと包み込んでしまう。
丸く切り揃えられた爪が綺麗で、すらりとしていると思っていたのに、よく見れば骨ばった関節がたくましい。
缶を口元に寄せながらも、美郷は胸をくすぐってくる匠海の指をじっと見つめてしまっていた。
これが、男の人の手なんだ……。
……なんだか、ドキドキする。
「美郷ちゃん?」
缶に口をつけたまま動かなくなった美郷に、匠海が不思議そうに声をかけてきた。
はっと我に返り、匠海の声に上げた顔が火照っていることに気がついた。
「あっ、す、すみませんっ。いただきます!」
「どうぞ」
ごくりとコーヒーをあおって、熱い顔を誤魔化す。
匠海の指を見つめて勝手に彼を辱めてしまったような、妙な背徳感に心臓が早鐘を打った。