略奪宣言~エリート御曹司に溺愛されました~
正当な関係とぎこちない感情
*
「すみません、本当に……」
夜の街を駆ける車。
周囲の喧騒を縫うように、FMラジオのジャズが静かな車内に凪ぐ。
揺れの少ない乗り心地のいい助手席で、美郷は何度も頭を下げた。
「いや、謝るのは俺の方だよ。ちょっと強引すぎた」
ハンドルを握る匠海が、赤信号の列に停まってから横目に美郷を見てくる。
ステレオの明かりに煌めく匠海の瞳に、美郷は密かに胸を鳴らした。
匠海の腕に抱かれていた感触は、まだ鮮明だ。
一度味わった匠海の男としてのたくましさと、甘くて獰猛な誘惑は、思い出すだけで美郷の心臓を簡単にかき乱させる。
さすがにさっきは、美郷史上かつてない強烈な体験に耐えきれなかった。
おかげで匠海に強く名前を呼ばれるまでの記憶が、一部欠落している。
あまりの衝撃に一瞬気を失ったらしい美郷を、匠海は酷く心配し、結局彼の車で自宅まで送ってもらうことになってしまったのだ。
「すみません、本当に……」
夜の街を駆ける車。
周囲の喧騒を縫うように、FMラジオのジャズが静かな車内に凪ぐ。
揺れの少ない乗り心地のいい助手席で、美郷は何度も頭を下げた。
「いや、謝るのは俺の方だよ。ちょっと強引すぎた」
ハンドルを握る匠海が、赤信号の列に停まってから横目に美郷を見てくる。
ステレオの明かりに煌めく匠海の瞳に、美郷は密かに胸を鳴らした。
匠海の腕に抱かれていた感触は、まだ鮮明だ。
一度味わった匠海の男としてのたくましさと、甘くて獰猛な誘惑は、思い出すだけで美郷の心臓を簡単にかき乱させる。
さすがにさっきは、美郷史上かつてない強烈な体験に耐えきれなかった。
おかげで匠海に強く名前を呼ばれるまでの記憶が、一部欠落している。
あまりの衝撃に一瞬気を失ったらしい美郷を、匠海は酷く心配し、結局彼の車で自宅まで送ってもらうことになってしまったのだ。