略奪宣言~エリート御曹司に溺愛されました~
思いがけない遭遇、そして変化
*
翌朝、マーガリンの溶け残ったトーストにかじりついたところで、テーブルの傍らに置いていたスマホがピロンと鳴った。
こんな時間に誰だろうと思っていると、同じく向かいのテーブルに着く父がコーヒーに口を付けたままじろりと美郷を見やった。
まさか父の前で、朝食を摂りながらスマホは開けないと、ごちそうさまをしてから洗面所に向かう途中で確認をする。
明転させた画面には、【匠海】の文字。
昨夜の尾を引く心臓はまた勝手に鼓動を速めた。
【おはよう、美郷ちゃん。俺のアカウント、承認お願い】
電話番号だけでアカウント登録できるメッセージアプリに、匠海からのメッセージが届いていた。
【おはようございます。了解しました】
美郷が返したメッセージは堅苦しい。
砕けた返しなんて思いつかなかったし、あくまで取引先の部長にはこれが正解だと思った。
すぐに既読をつける匠海は、丸っこい白くまがぱっと笑顔を華やがせたイラストを送ってくる。
ピンクの頬をしていて予想外に可愛いくまだ。
なんだか、匠海さんに似てる……
ふふ、と笑ってしまった自分が洗面所の鏡に映る。
ニヤけた顔をした自分に衝撃を受け、顔を赤くしながら歯ブラシを取った。
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翌朝、マーガリンの溶け残ったトーストにかじりついたところで、テーブルの傍らに置いていたスマホがピロンと鳴った。
こんな時間に誰だろうと思っていると、同じく向かいのテーブルに着く父がコーヒーに口を付けたままじろりと美郷を見やった。
まさか父の前で、朝食を摂りながらスマホは開けないと、ごちそうさまをしてから洗面所に向かう途中で確認をする。
明転させた画面には、【匠海】の文字。
昨夜の尾を引く心臓はまた勝手に鼓動を速めた。
【おはよう、美郷ちゃん。俺のアカウント、承認お願い】
電話番号だけでアカウント登録できるメッセージアプリに、匠海からのメッセージが届いていた。
【おはようございます。了解しました】
美郷が返したメッセージは堅苦しい。
砕けた返しなんて思いつかなかったし、あくまで取引先の部長にはこれが正解だと思った。
すぐに既読をつける匠海は、丸っこい白くまがぱっと笑顔を華やがせたイラストを送ってくる。
ピンクの頬をしていて予想外に可愛いくまだ。
なんだか、匠海さんに似てる……
ふふ、と笑ってしまった自分が洗面所の鏡に映る。
ニヤけた顔をした自分に衝撃を受け、顔を赤くしながら歯ブラシを取った。
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