オブジェのある公園
元彼「…ヒカルは 僕の彼女だ!」





「…言ってろ、ヤブ医者!」




俺は 診察室のドアを開けた


ガチャ!



目の前には ヒカルが 立っていた





ヒカル「……ユウジロウ…」





俺は 右足骨折、さらに

右手からは 壁を殴った衝撃で

大量の血が 流れていた。




ヒカル「…血が」




ヒカルが 俺に近づこうと した

その瞬間、





アイリ「ユウちゃん!」



バッ!




アイリは 俺の左側に抱きついた。






ヒカル「………ぇ」





アイリ「…ユウちゃん

どーしたの? 何かあった?」





「なんもない。 帰るぞ !」






アイリ「……うん」




ヒカル「……待って!」




「……」





アイリ「誰?知り合い?」




「……… いやっ」







ヒカル「…お気をつけて


お帰り下さい……」





俺は黙って 部屋を出た。







ガヤガヤ、ざわつく病院内を

片足 引きずって 俺は

外に出た。





アイリ「帰って、ご飯でも 食べよ」





「うん。そうだな」









車に乗り込み アイリの運転で 家に帰った…








ガラガラ~!



お袋は 酔っ払って 寝ていた。






「アイリ、ありがとな」




アイリ「うん、イイよ、イイよ

それより なにか 作ろーか?」






「食欲無いし、今は

1人に させてくれねーか。」





アイリは 二階の 俺の部屋まで

俺を連れて行くと

なんだか 寂しそうに

帰っていった…









「はぁ~。。。



ヒカルは今、彼氏いないんだ」







痛いハズの 足首や手も

チクチク痛む 胸の おかげで

怪我の事は スッカリ

忘れていた……。


ピピピピピピピ………






俺は ウトウトして

知らない間に 眠っていた。





気付いた時は

夜の9時を 少し回っていた。



…携帯が鳴ったのは

ユラちゃんの生放送を 知らせる

為の メールだと 直ぐに わかった。





(……ユラちゃんの……





……ヒカルの……

放送時間だ………)








ピ…


携帯の ボタンを押した…





……………








ユラちゃんの放送は

無音で 始まった。

俺が見てる限りでは

無音 放送は 初めてだった……




さらに…


画面を見ると いつもの

ユラちゃん ではなく

髪型も化粧も 違う…







………ヒカルだった………










ユラ「「……こんばんわ………

今日は コメントの

返答は しません。

だから 見てるだけの

放送になると思います」」





重い空気で 放送は始まった…






ユラ「「私は今日 たった1人の

大切な人にだけ…

思いを伝えようと思います



…その人が

この放送を

見ている事さえ

わかりません、」」





(思いを……伝える…?)





ユラ「でも…、これ以上、

……隠している事…

できないから、

ここで、話します…



……私は はじめて…

こんなに 切ない思いを

知りました…」」






ユラちゃんは 涙をこらえた……






ユラ「「最初に会った時は…

嫌いなタイプの人でした、

いろんな 話し しても

やっぱり 嫌いな人でした…

……………」」





ユラちゃんは 黙って ポロポロ

泣き出した……









[頑張れー] [がんばって] [泣くな!]


[ユラちゃんファイト!] [ユラ~!]……






ユラちゃんが 泣いて

喋れなくなると、

コメントが 殺到した…






ユラ「「…はい…ごめんなさい…、

………

…でも、 その人と

一緒にいると

なんでも 言えるし

思った事 全部言えた、」」





(……俺もいっしょだ…)






ユラ「「……ある日、 熱をだして

その人が 会社を休んだ、

その時、 心配で心配で

仕事どころじゃなかった

…その日の 夜、

お見舞いに行って……


……帰り道……」」





























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