オブジェのある公園
[大丈夫?] [どうした?] [がんばって]

………










ユラ「「ごめんね……

いろいろ 思い出したら

涙が 止まらない………」」





俺は黙って見ていた

と、いうより、

黙って見ているしか

できなかった…








ユラ「「……帰り道…

街路灯の下で 抱き合った…



あの時から

少しずつ、意識するように

なった…」」






(……俺も あの日からだ…)





ユラ(…雷が鳴った日に

生まれて初めて……

キスしました……」」







(…… はじめて…?)






ユラ「「あんなに 幸せを感じたのは

初めてだったし


凄く、安心できた…」」






[はじめて?] [キス?] [俺にも]

[年は?] [キスしたい] [いいなぁ]……


今までの 数十倍

コメントが殺到した


なかには、冷やかしもあった…







ユラちゃんは コメントには

一切触れなかった。







ユラ「「…また、逢いたい。

私は、あなたが







好きです…」」



















[88888888] [パチパチパチパチ]
[よく言った] [エライ] [感動した]…


またまた コメントが殺到した。









今すぐヒカルに 伝えたかった、

俺も同じ 気持ちだって……事を












ユラ「「………これが

私の気持ちです。




長い間 この番組を

見てくれて ホントに

ありがとう。


今日で 放送は終わりです

また、いつか、

会いましょう。

ありがとう……

バイバイ…」」






ピっ!



ユラちゃんの放送は 終わった…


今日限り ユラちゃんの放送は

無くなった………







その瞬間、登録した

ユラの名前は、


自動的に

消去された……



















………………


終わった……






何とも言えない


苦しさが


俺を襲った…






心、足首、手、

そこらじゅうが、

のたうち回る ほど、

痛く、苦しかった……






1人 ベッドに横になっていると

なんだか 世界が止まっているような

とても静かな夜だった。


心に風が吹くって こういう事か

俺は 1人ぼっちで

この痛みが消えるまで

部屋の天井をただ 無心で見ていた…





やがて、この痛みも

必ず消える…


その時


もう一度


ヒカルに



会いたい。





第3話 それぞれの思い。 終
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