オブジェのある公園
自宅に 到着すると 着慣れない

スーツを脱ぎ捨てた。




「あ~ 緊張した」






まだまだ、早い時間帯だったので

昼飯を食いに 街へ くり出した。








(なに食うかな~?)






店を探していると 遠くの方に

お袋を 見つけた。





(なにやってんだ?お袋)





暇だったので バレないように

後を付けた…







カッカッカ……





少し歩き 街の裏通りの店に

お袋は入っていった。




(…なんだ、この店?)







「ラブ キャッチ?……」





店の 前の看板に

ホントの愛を あなたに……

ラブ キャッチ と書いてあった。





(なんの店だよ?)





店に入ると お袋に バレそうなので

外から 小窓を覗いた……





(暗くて 見えねーなー)





カラン、ガタン、




その店に 次々と

男女が 入っていった。






(……違うよな……そういう店?)






気分が 悪くなってきたので、

見なかった事にして 帰った。








結局、飯も食わず 家に帰った。


家に着くと ユキコが 帰っていた、






ユキコ「おかえり」



「おう、」



ユキコ「ねえ、お母さんは?」



「……知らねー」


ユキコ「最近 いつも 家にいないね」



「まあ、昔から 自由人だからな」




ユキコ「…そうだね」




「ああ、俺 明日から 仕事だから

今日は 早めに寝るな」



ユキコ「…! 採用されたんだ!

良かったねぇー」



「まあね。」










夜になっても お袋は帰らなかった。





(お袋… なにしてんだろ?怪しい……)





ピンポーン!




ユキコ「お兄ちゃーん!

シンイチ君! 来たよ!」




「シンイチ? なんだろ…」






タッタッタッタッ…



「おお! シンイチ!どーした?」





シンイチ「……悪いな! 」





明るい性格の シンイチが、

今にも 泣き出しそうな顔で

立っていた。




「なんだよ?」




シンイチ「ちょっと いいか?」



「……おう」





俺は シンイチに 連れられ

シンイチの車に 乗った。






「おい!どこ行くんだよ?」





シンイチ「ユウジロウ、今から

俺の女を、説得してくれないか?」





「はあ?説得?なにを?」





シンイチ「…チサが 急に……

別れたいって…!

でも、俺、

チサがいないと…」




「だから、俺に

シンイチと別れるなって

言えって事か?」




シンイチ「……たのむよ!」




「そんな事 自分で言えよ」




シンイチ「……今から、

チサの所 行くから

たのむよ!」




「………おまえが そこまで

言うなんて よっぽど

好きなんだな?」






シンイチ「そりゃー 最初は

ナンパした女の1人

だったけど、

……チサほど、

俺の事 考えてくれる奴

いないんだよ!」





「わかった…

でも あんまり 力ないぜ。」




シンイチ「いいんだ、ユウジロウは、



俺が、チサに本気だって事を

言ってくれれば……」





「うん、わかった」







こうして チサちゃんの

アパートに着いた。







ピンポーン、






インターホンごしに チサちゃんが

返事した。



チサ「……はい」



シンイチ「チサ、俺。」


チサ「……帰って!」



シンイチ「話があるんだよ!」



チサ「……今、友達来てるから」



シンイチ「……男か?」


チサ「違うよ。」





シンイチ「俺、……ユウジロウと

一緒だから…」



チサ「友達連れて来たの…?」



シンイチ「ああ、だから 俺が

何もしないって

わかるだろ?」




チサ「……で、話ってなに?」





シンイチ「……会って、顔見て

話し したい。」








チサ「…………ちょっと、まって」






チサちゃんは、中の友達と

話し していた。







チサ「……少しだけだよ…」


シンイチ「うん、わかった」





ガチャ……





ドアを 開け チサちゃんが、

顔を出した。






シンイチ「チサ、俺……」



チサ「ここだと、迷惑になるから

中に入って」



シンイチ「……ああ、ごめん」




チサちゃんは 俺に気づいて


チサ「……どうぞ」


俺も 部屋にいれてくれた。





「おじゃまします。」











































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