オブジェのある公園
ドアの中に入ると

甘い香りに包まれた

綺麗な部屋に いれてくれた。




(あ~ いい匂い)







??????





俺は 自分の目を疑った……










なんで…








ここに…














ヒカルが………









チサちゃんのアパートに きていた

友達は ヒカルだった……








ヒカル「………」





チサ「ごめんね、ヒカル」



ヒカル「……ああ、う、うん」



チサ「どうした?」



ヒカル「……ん? なにが?」


平然を装う ヒカル。





シンイチ「……ごめんね、急に」



シンイチの 言葉より

俺が気になってしょうがない

感じのヒカル。





チサ「え~と、ユウジロウ君?

……テキトーに、座って」






「あ、うん」

ヒカルが 気になる俺。








チサ「で、話は?」



シンイチ「……別れたくない…」




チサ「もう、決めたから……」




シンイチ「勝手に決めんなよ」




チサ「じゃあ、別れるのに

彼氏に相談する人いる?」



シンイチ「……」





チサ「……とにかく、もう……」




シンイチ「…俺のなにが

嫌になったんだよ?」



チサ「………………」



シンイチ「……また、黙る」






俺と ヒカルは お互いを

意識しつつ

2人の会話を 黙って

聞いていた。





チサ「…だって、

何かあっても、私には

全然 相談もしてくれない…」




シンイチ「おまえに 余計な

心配かけたくないから」




チサ「だって、付き合ってんのに

なんで…?」







俺は 思わず 口を挟んでしまった…




「シンイチ! チサちゃんの事

好きなら、なんで もっと

話し合わないんだよ!」




シンイチ「だから、

心配かけたくないだろ」




「心配?

おまえが 訳もわからず

ショボくれた顔をしてる方が

心配なんだよ」





シンイチ「…………ぅん」




………






ヒカル「好きだから、大切な人、

だからこそ、心配かけづに

黙ってるんでしょ?」






「黙ってる?

いくら黙ってても 顔見りゃ

わかるんだよ!

だから 余計に心配になんだよ!!」








ヒカル「一緒にいるだけで 安心して、

心配事も忘れられる…

それで いいじゃない!」








「そんなに、心配かけたいのか?」




ヒカル「……どうしても、

言えない 悩みだって

あるんだよ!」






「好きな奴が目の前で 悩んでたら

助けてやりてえって思うだろ!」








………………。









シンイチ「……ちょっと、ユウジロウ?」




チサ「…ヒカル?」



(やばい、ムキになり過ぎた…)





ヒカル(…なに言ってんだろ私)





全員 無言になり、

静かな時間が流れた。


俺は 無言の中で 少しづつ

冷静さを 取り戻した。







「シンイチ、ごめんな」



シンイチ「おお」




「チサちゃんも ごめんね」


チサ「…うん」






「それから……… ヒカル……」




シンイチ「おまえ、いきなり 呼び捨て!」



「ああああ! ヒカルさんも

ごめんね………」





チサちゃんは 俺と ヒカルを

交互に、 怪しそうに見ていた。










シンイチ「チサ、ごめん!」


チサ「…なに、急に?」



シンイチ「おまえを 思い過ぎて

おまえを

失う とこだった」





チサ「……ぇ?」





シンイチ「これから 何があっても

おまえに 1番に話す

だから…

チサも今までみたいに

俺に何でも言ってくれ」





チサ「………うん」


バッ!


チサちゃんは 泣きながら

シンイチの胸に 飛び込んだ。











俺と ヒカルは 目を合わせて

微笑んだ。








「よかったな、シンイチ!」





ヒカル「チサ、よかったね

本当は 別れたくなかったんでしょ?」







シンイチ「え?そうなの?」




チサ「……うん」






シンイチ「なんだよ、もー チサあ~」



ちゅ、


ちゅ、



「人前で キス すんな!」





ヒカル「イイじゃん」







笑ってわいても、どこか

寂しそうなヒカル……




俺は ヒカルだけを 見ていた。













それから 数時間たっても、

シンイチとチサちゃんは

ベタベタしていた。








「シンイチ!

俺 明日から 仕事だから 帰るな」






シンイチ「明日から……?



おまえ、大星は?

辞めたの?」






チサ「大星?

まさか、ヒカルのいえの

会社じゃないよね?」





シンイチ「はあ?

大星総合物産だぜ!」






チサ「え、……ヒカルのいえだ……」





シンイチ「え~~

そうなの?」





ヒカル「………まぁ」







シンイチ「じゃあ、2人は、お知り合い?」






「バーカ!

あんなに、大きい会社で、

知り合えるかよ!



もし、あんな所で、

知り合えたら それは

運命だぜ!!」



俺はヒカルを見つめた。





ヒカル「……運命…」

ヒカルは軽くうなずいた。




シンイチ「で、次の会社は?」




「……また、今度 ゆっくり話してやるよ」







シンイチ「……おん、わかった」






「じゃあな、仲良くやれよ」









シンイチ「ユウジロウ!


ところで おまえ、 どうやって帰るの?」






「…………確かに、車 無いし……」










ヒカル「……チサ、私も

お邪魔だし、帰るね、」





チサ「うん、


ヒカル!、ユウジロウ君

送ってあげれば?」







ヒカル「……うん、そうだね

この人、かわいそうだしね」




ヒカルは俺を 半笑いで 見た。






シンイチ「ああ、じゃあ、俺

送ってや……」


ボゴっ


チサは 俺と ヒカルに見えないように

シンイチの腹を叩いた。








チサ「じゃあ きお付けてね。」






ヒカル「うん、じゃあね」






「じゃあな、シンイチ!」




シンイチ「おう、ありがとな」





バタン!



俺は ヒカルに

送ってもらう事になった。









シンイチ「なんだよ、チサ?」



チサ「ヒカル、帰る時

すっごく 嬉しそうだったね」



シンイチ「はあ?なんで?

早く帰りたかったの?」




チサ「…私は、

騙せないよ、 ヒカル」




シンイチ「なに?なに?」




チサ「も~ 君は 知らなくていーの」


バタンっ


ちゅ



ちゅ。
































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