オブジェのある公園
バタン!



バタン!






俺は ヒカルの車の

助手席に座った。








「まさか、おまえに会うとはな?」






ヒカル「…ねっ、ビックリだね!」






「シンイチの彼女の 友達が、

ヒカルだとわ 思わなかったなぁ」







ヒカル「これは、運命じゃない?」



「………ふっ」







ヒカル「ねえ?仕事決まったの?」




「ああ、明日が、初日」





ヒカル「…頑張ってね」





「おまえに 言われなくても

がんばるよっ!」




ヒカル「あっそう。」






「こんな時間に 出かけて

彼氏、ヤブ医者は 怒らねーの?」




ヒカル「さあ、知らない」




「知らないって?

おまえ、付き合ってんだろ?」





ヒカル「……そうだね、」





ヒカルは 何かを隠している

そう、直感した。






「あ~ 眠て~」




ヒカル「…いいよ、寝ても」





「こんな 狭い所で 寝れるかぁー」




ヒカル「悪かったねぇ! 狭い、車で!」






「もっと 広いベッドで

大きな 風呂があって、

夜景が綺麗に見える 所

行きたいな?」





ヒカル「…………。」








「あ、おい! あそこの

ピンクの看板の所で

俺、降ろしてくれ」





ヒカル「え? あ、あれ

ラブホ だよ。。。」






「…知ってるよ!

いいから、止めてくれ、

俺は、あそこで寝る」






キィ~~!







バタン!





「おう! ありがとな!」





ヒカル「……ホントに 寝るの?」





「ああ、寝るよ、


じゃっ! おやすみ」





バタン!





ヒカル「…………………」







俺は 一度 歩き出したが

再び 車に戻った。






「……おまえも 来るか?」





ヒカル「…………ぅん。」





俺は 運転を代わり

ラブホの駐車場に 車をとめた。




バタン! バタン!


ビィーン、






入口の 自動ドアの 手前で

ヒカルの 手を握って 中に入った。







「……部屋は……

どーせなら、1番 高い部屋

いこ~ぜ?」







ヒカル「………ぅ、ぅん」






部屋を決めて、

ヒカルと チェックインした。







バっタン!







ヒカル「……うわあ~


すご~い。」







「何だよ、おまえ?

初めてでもないのに……」







ヒカル「え、初めてだよ。」





「ふ~ん……初めてか、













初めて?













初めてなの? おまえ?」





ヒカル「…そうだよ、なんで?」







「……いや、別に……」






ヒカル「もう、寝るの?」






「いやっ、先、風呂行って来るな、」






ヒカル「……はい。」







俺は 1人 風呂に入りながら

ドキドキしていた。



(今まで、いろんな女と ホテル

来たけど、

こんなに、ドキドキするの

初めてだなあ)







風呂から上がると

ヒカルは 窓際で 夜景を見ていた。







その、横顔は 可愛くて、綺麗で

見てるだけで 幸せだった。






ヒカル「ふん?」





「ああ、風呂いいぞ……」





ヒカル「………うん」






ヒカルは 照れくさそうに

風呂に行った。







俺は ヒカルが 風呂に入っている間

テレビを見たり、音楽聞いたり、

落ち着かない 時間を過ごした。






ガチャン!





ふと、風呂の方向を見ると

バスタオル姿 一枚の ヒカルが

立っていた……







ヒカル「…見るなよ!」




「なんで、おまえ

そんな、 格好なわけ?」





ヒカル「着替えないし、

もう、寝るだけでしょ?」




「まあ、そうだけどよ…」








すでに、深夜0時を 過ぎていた。





「やべぇ! 俺、明日、仕事だった」



ヒカル「……寝よっか……」






「そうだな…」




ヒカル「……私、ソファーで

寝るね……」




「まて! ソファーは 俺だ!」






ヒカル「え?、

広い所で 寝たいんでしょ?」




「いいから、おまえは こっちで 寝ろ!」





グイっ




俺は ヒカルの腕を ベッド側に

引き寄せた…






キャッ……!


ヨロッ






強く 引き寄せ過ぎて

俺も ヒカルも ベッドに倒れた。







俺の上に ヒカルが

乗っかっていた……







目の前には ヒカルの顔が……







………自然に キスをした。






そのまま、黙って ヒカルを

仰向けにして また キスをした。



胸に手をやると……




ヒカル「………初めてだから…」






「……………………」






俺は その言葉を聞いて


さっきまで、 窓際で夜景を見ていた


可愛くて、綺麗で、


何より 無邪気な


ヒカルを


思い出した。












「……寝よっか?」




俺は ヒカルの おデコに

軽く キスをして、

自分も 仰向けになった





ヒカル「……え?」






「俺は……

おまえを抱く 資格がない…」





ヒカル「………嫌いになった?」





「嫌うどころか、もっと

好きになった!」






ヒカル「……イイよ、しても…」





「今は やめとく。

もっと、大事にしたいんだ

……ヒカルのこと…」






ヒカル「………ありがとう…」






俺は ベッドの上で ヒカルの

手を強く握った。






「一緒に 寝てもイイ?」





ヒカル「……イイよ……」





























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