オブジェのある公園
俺は フラついている ヒカルをなんとか歩かせ

病院まで 連れて来た。



ガラガラー




病室のドアを開けると

ヒカルのお父さん(社長) 、お兄さん(専務)、

そして 優香さんが立っていた。



優しい木漏れ日に照らされ

ベッドで眠る ヒカルのお母さんの姿が

見えた。



トっトっ……




ヒカル「お、、お母さん……」



ヒカルは お母さんの手を 何度も 何度も

握りしめ、ゆすった…


その度、ヒカルの涙が お母さんの手に

こぼれ落ちていた。



ヒカル「お母さん!

ユウジロウに会うんでしょ?」

それまでは 死なないって

約束したじゃん……

ねえ! お母さん! 起きて!

ユウジロウ 連れて来たよ…」



お父さんはヒカルの肩を叩き

首を横に振った…


優香「 おかあさん…」

お兄さんは 拳を握り涙を流していた。



俺は 何もできず ただ立っているだけ…


トッ…

トットッ…


お父さん「ユウジロウ君、ありがとな。



……それから、妻が コレを

ユウジロウ君に渡してほしいと」




「俺に…?」


お父さん「…ああ」


俺は白い封筒を受け取った。


「開けていいですか?」


お父さん「もちろん」


ビリビリビリ

ガサガサ……


封筒の中には 手紙とシオリが入っていた。


俺は手紙を開き

手紙に目を向けた。

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