オブジェのある公園
俺は 手紙とシオリを封筒にしまった。



(お母さん このシオリ、

俺が大切に預かっておきます

そして、ヒカルも 俺なりに

絶対 幸せにします)



この手紙を読んだ後の

ヒカルのお母さんの顔は

なんだか 俺には

清々しく 透明で綺麗に見えた。








こうして、ヒカルのお母さんは
天国へと 旅立った。












ヒカルは ベッドから離れず

話せる状態じゃなさそうだな…




「それでは 俺は失礼します」



お父さん「ユウジロウ君、悪かったね、

こんなところに付き合わせて」




「……いいえ、俺こそ何もできずに

すいませんでした」




専務「ユウジロウ君だっけ?

ヒカルの事 これから よろしくね」



「はい」



優香「気おつけて帰ってね」


「それじゃあ、失礼します」



ガラー

俺は部屋を出た。




ヒカル「待って、玄関まで 一緒に行く」






トットットットットット

トットットットットットットッ







「今はまだ 何も考えたくないと思うから

お前が本当に落ち着いたら 連絡してくれ」







バッ



ヒカルは俺の胸に飛び込んで 泣きはじめた…


ただ ただ 泣いていた……


大好きな お母さんが亡くなったんだから

俺には想像もできないぐらい 辛いんだろうな




「俺の胸なら どんだけ使ってもいいから

好きなだけ泣けよ」





ヒカル「…うっ…うっ…うっ……

もっと、うっ…お母さんと…

話し…したかった……」















このまま 夜明けをむかえた。



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