無題
伊賀山 陸(いがやま りく)は、自分の胸元で小さな寝息を立てて眠る伊賀山 華(いがやま はな)の赤茶色の髪に静かに触れた。

“抱いてしまった…”

そんな思いを胸に、陸は小さくため息をこぼした。

自分を愛してくれるまでは、抱かない。

そう決めていたのに。

陸は、またため息をこぼす。
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