無題

“どうすれば、いいんだ…”

自分の腕の中で、規則正しく寝息を立てて眠る華の顔を見つめた。

長いまつげが、シットリと濡れている。

“俺が、泣かせた”

そう思いながら、陸は華の背中に回した腕に力を込めた。

「んっ…」

モゾモゾと、華の身体が揺れる。

「…んんっ…」
「華…っっ」

小さく声を掛けてみた。

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