恋愛なんてゲームだ!
過去
私は小学校の時から男子には好かれていた。
そう、男子だけには。
女子には散々な扱いをされたわ。でもそんなの知らない。
それに幼馴染がイケメンだから、お前は邪魔?そんなもの知らないわ。
あっちが寄ってくるだけだもの。
私は私だもの。見た目に翻弄される男共が悪い。
私のことについて男子はこういうわ。
「綾瀬って見た目も可愛くて美人だし、性格もよし、頭もいい。ついでにスポーツ万能。
名前の姫乃の通り、お姫様みたいだ。」
そんなこと言われたって全くうれしくない。誉め言葉じゃないもの。
女子からはこう言われたわ。
「姫乃って顔も性格もブスなのに男子にだけ寄っていくって、どんだけ男垂らしなの。」
ちがうわ。あなたたちが寄ってこないだけよ。
それに最近思いついたゲームをしているだけなの。邪魔してほしくないわ。
面白いゲームを考え付いたのは小学校6年生になる前日。告白してきた男子が言ったの。
「綾瀬さんは男子、みんなからの人気がすごいから綾瀬さんが告白したら誰でもokすると思うよ」
って。こんなこと言ってきたのは私の学年の1番人気の男子。
そんなこと言われたら面白いゲームが浮かんできたの。そのゲームはね、
「どれだけの男子を落とせるか」
私はこれを実行した。
どうやってそんなことするの?
こんなこと簡単。ある程度の男子は顔で落とせる。
プラスで勉強を教えてあげたり、二人だけの秘密。とか言って特別感をだせばいい。
そうすると大抵の男は落ちる。それでも無理な男子には体が弱いことを使って
「ちょっと頭が痛いの。保健室に連れて行ってくれない?」
とか言うと簡単に落ちる。こんな感じで過ごしてたらあっという間に冬。
毎年冬は寝込みやすいから、その習性を利用する。
「ゴメンね、また学校にこれない日が続くかも。学校のこととか教えてね。」
とか言っておけばなおさら。このゲームのタイムリミットは卒業式の夜まで。
いいこと思いついた。成績優秀だった私は中学受験を勧められてきた。
もし中学校が違うと知った男子が焦って告白してくれればさらに人が増える。
そして無事合格。ま、全然勉強しなかったんだけどね。
学校に一気に噂が広まった。
「綾瀬が別の名門の私立中に行くって!」
「姫乃がいなくなるんだって。」
ま、予想通りの対応。そして週1のペースを気分によって変える。
すると男子はいつこなくなるかわからないから急いで告白する。
家まで来た人もいたわ。そして卒業式。
私は最後に女子に向かって嫌がらせをしたわ。
幼馴染とべったり引っ付いておくの。女子はみんな幼馴染と写真を撮りたかったらしいわ。
私は袴で出席。幼馴染はスーツだった。だけど恋人みたいと言われたわ。
別に全く興味のないことだけれど。
卒業式の後に打ち上げ。みんなどうせ地元の公立中学に行くんだから、そんなことしなくてもいいでしょ。
ま、せっかくの最後のチャンスだし、行くことにした。
スーツに着替えて出席すると予想通りの反応。
とても愉快だった。家に帰ると何人かが待ち伏せで告白してきたわ。
親はとても驚いていたわ。とても笑えた。
ま、当然お断り。みんな共通して言う言葉。それは
「私のことが好きなの?ありがとう。私も好きだよ。友達としてね。」
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