私はあなたの隣にいたい
第一夜 あなた

プロローグ

あなたと出会ったのは、私が中学1年生の頃でしたね。
その頃の私はまだ小学校を卒業したばかりの幼い子どもでした。
数学が大嫌いな私は、もちろん中学校であった一番最初の試験の数学のテストで悲惨な点数を取ってしまい、そのテストを握りしめて塾へと入りました。
最初の先生ははっきり言って苦手でした。
なんだこいつ、ちゃらちゃらしやがって、こんなやつとこれから先やっていくのか、そんなの無理だ…なんてことをもんもんと考えながら数学の問題集とにらめっこしたのを覚えています。
塾への足取りが重たかった翌週、あなたと出会いました。
私はあなたを見たとき、あぁ、私この人となら大丈夫だと、よくわからない確信を抱きました。
あの時のあなたは大学2年生。
私とあなたの関係は、塾の先生と生徒。
私の、長くて切ない片想いのはじまり。
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