【医者恋シリーズ3】エリート外科医の蜜甘求愛
失恋と泥酔と、一夜の過ちと



ぼんやりとしてふわふわとする、不明瞭な意識の中。

霞んだ視界には淡いオレンジ色の光と、高そうな天井が見える。

全身が浮いてしまっているように気分がいい。

火照った身体を、大きな熱い手が焦らすように撫でていく。

その指先に触れられた箇所は蕩けていくようで、自分の口から出ているとは思えない甘ったるい声が溢れていく。

どこの誰かも、名前すら知らない、素性のわからない相手。

感情も何も抱いていないのに、彼を見ているだけで胸は高鳴る。

甘さの中に危険な鋭さをちらつかせる綺麗な瞳は、真っ直ぐ見つめられただけで逆上せてしまいそう。

肩を抱かれてエスコートされることも、特別扱いみたいなお姫様抱っこでベッドに運ばれたことも、彼がネクタイを緩めシャツを脱ぎ捨てた姿ですら、美しくて見惚れていた。

彼の身のこなし一つ一つに惚れぼれとする。

これは全て、飲み過ぎたお酒のせい……?


「今……何を考えてる」

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