【医者恋シリーズ3】エリート外科医の蜜甘求愛
「わっ!」
「おっと、危ない」
立たせるために掴んだ腕で私を支え、その手でサッと腰を抱く。
「ほら、立ってるのも危ういくせに」
そのまま私をカウンター席から窓際に設置されているソファー席へと連れて行き、「待ってて」とそっと座らせてくれる。
ぼんやりとする視界の先、見下ろす夜の街の灯りがキラキラして目に映った。
座り心地のいいソファー席に掛けた途端、気が抜けたように脱力する。
深く腰掛け、背中と頭をだらりとシートにもたれかけた。
頭だけ動かしてさっき座っていたカウンター席を見ると、私を離れた彼がバーテンダーさんと何か話をしている。
ほんと、かなり飲んじゃったな……。
初めてこれだけの量のお酒を飲んだ。
そんなことをするくらいショックだったのかと思うと、その事実に悲しくなってくる。
「どう? 気分は大丈夫?」
戻ってきた彼が私の隣へと腰を下ろす。
背もたれに預けた頭を優しく撫でられて、不意にぶわっと涙が溢れた。