【医者恋シリーズ3】エリート外科医の蜜甘求愛
「楽になる方法が一つだけある」
綺麗な切れ長の目が、真っ直ぐ私の目を見つめる。
吸い込まれるように見つめ返すと、流れた涙の跡を指で拭われた。
「全部、忘れること」
「忘れる、こと……?」
簡単に忘れられるなら、忘れてしまいたい。
だけど、これだけ酔ってよくわからなくなっても、まだ泣いたりしている自分がいる。
こんな私にそんな方法がわかるはずがない。
「そんなの……わからない……。忘れられる方法があるなら、知りたいくらい……」
肩を抱いたまま腕を取られ、突如ソファーから引き上げられる。
「じゃあ、俺が教えるよ」
支えられながら覚束ない足取りでバーの出口へと連れて行かれながら、耳元でそんな言葉を囁かれていた。