【医者恋シリーズ3】エリート外科医の蜜甘求愛
頭が重く痛く、目覚めてもすぐに目を開けなかった。
目の奥が痛い。
こんな不快な目覚めは生まれて此の方初めてだ。
頭痛から逃れるように寝返りを打って、素肌に感じるシーツの冷たい感覚に違和感を覚える。
あんなに酔ったくせに、いつの間に家に帰ったのだろうと薄目を開けて、見えた世界に思考が固まった。
……ちょっと待って、ここはどこ?
眠気も二日酔いも一気に冷める思いだった。
天井までの大きな窓には、ブラウンのロールカーテンが三分の二程度まで下り、眩しい朝日を遮っている。
少し覗くガラス窓の先には高層階からの景色が見えていた。
明らかに自分の家の景色ではない。
「ひゃっ!」
呆然としている中、突然背中側から何かが胴に巻き付いてきた。
触れた温かさに、自分が何も身に付けていないことに気付く。
そして、巻き付いてきたものが人の腕だということに頭が真っ白になった。