【医者恋シリーズ3】エリート外科医の蜜甘求愛
広大な敷地と、出入りする多くの人々。
駐車場の台数も、今まで私が回っていた病院の中でダントツだった。
関東医科大学附属病院――。
多喜子先輩が受け持っていたこの大学病院は、厚生労働省から承認を受けた特定機能病院。
最新の医療機器を積極的に導入し、優秀な人材を取り揃え、最先端医療を提供してもらえると日夜多くの患者さんが来院している。
「よっし……行きますか」
エンジンを切って、ルームミラーで自分の顔をチェックする。
若干昨日の一件で疲れた顔をしているけど、なんとかメイクでカバーしてきたつもりだ。
初回の訪問だから、今後の為にもなるべく好印象を与えたい。
まして、前担当が多喜子先輩なのだ。
ただでさえ劣っているのに、これ以上マイナスな点は作れない。
今日も朝から日差しが強い。
すぐに暑くなってきた車内からファイルと手帳を掴み、車をあとにした。