【医者恋シリーズ3】エリート外科医の蜜甘求愛
「失礼、します……」
誰か目の錯覚だと言って!
そんな思いでドアを入って、じっとこちらを見つめる微笑に身体が硬直した。
これは一体なんの冗談なのだろうか。
それとも、昨日の自分の行いへの、罰とでもいうのだろうか。
デスクの前に掛けるのは、ネイビーの上下オペ着に、シワのないハリのある白衣。
それを着こなすのがスタイルのいい長身であることを、私は知っている。
組んだ長い脚は、デスクの下に収まるのが窮屈そうだ。
数時間前、私は彼の腕の中で目を覚ました。
お互い素肌のままで、明け方近くまで濃密な時間を過ごしたのだ。
もう二度と会わないだろうと、昨晩の一夜の過ちは私の中で封印してしまおうと心に決めたばかりだった。
それなのに、それなのに……!
「MRだとは昨日聞いてたけど」
「えっ、言いましたか⁈」
「ああ。失恋話の時、ご丁寧に色々説明してた。でもまさか、ここに来るとはな」