【医者恋シリーズ3】エリート外科医の蜜甘求愛
そんな風に言われて、昨日の夜の出来事を証明されたような気分になった。
でも、それはこっちのセリフだ。
まさか……どうしてよりによって⁉︎
閉めた扉の前で立ち尽くしていると、席をおもむろに立ち上がり、つかつかと目の前まで迫られる。
昨日は仕立てのいいスリーピースを着こなしていて、どこかのエリート商社マンか何かだろうと想像していた。
だけど、白衣を着る、脳外のドクターだったなんて……。
「昨日、名乗りもしてなかったよな。市來だ、市來壮介」
〝そういう関係〟にまでなっているのに、今更名乗られるのも妙な感じだ。
「中条、雪音です」
「雪音……可愛い名前だな」
不意に見上げた市來先生が、昨日バーで話を聞いてくれていた姿と重なる。
ハッとして、「あのっ!」と声を上げた。
「先生! 例の件は、どうかご内密にお願いします」