【医者恋シリーズ3】エリート外科医の蜜甘求愛


約束の時間になるべく遅れないようにと、二日酔いを引きずりながら午後の仕事をこなした。

それでも担当圏が変わったこともあり、約束の十八時には遅刻をしてお店にかけつけた。

今日の飲みは、元々芽衣子ちゃんと、病院の院内食堂で働いているという芽衣子ちゃんの友達、遠野(とおの)ひまりちゃんとでの約束だったそう。

ひまちゃんもタメという縁もあって、そこに私を呼んでくれたのだ。

ひまちゃんは第一印象、ハキハキと喋る明るい子という印象だった。

栗色のロングボブのワンカールが艶々で、色白の美人さん。

芽衣子ちゃんに比べるとボーイッシュ系な印象だけど、動物がすごく好きらしく、飼っているにゃんこのことを話す姿がデレデレで可愛らしかった。

考えたら昨日も飲み過ぎてあんなことになって、更には今朝は二日酔いで散々な目に遭っているのに、よく飲みの約束をしたと思う。

だけど私には、無理をしてでも早めに情報収集しておきたいことがあった。


「あのね、折り入って二人に聞きたいことがあって……二人が働いてる病院のことなんだけど」


一杯目の生ビールのジョッキをなんとか飲み終えたところで、話の合間を見て話題を切り出す。

二人は「なになに?」と揃って私を見た。

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