【医者恋シリーズ3】エリート外科医の蜜甘求愛


「このドクターはくせ者、とか……病院内でいたりしないかな?」


唐突な私の質問に、二人は一瞬キョトンとした顔をする。

慌てて修正しようと「あっ、なんていうか!」と付け加えた。


「これから営業していくのに、事前に知っておきたいというかさ、ドクター情報」

「あー、なるほど、そういうことか。うーん……くせ者とか言われてる先生は特に聞いたことないけどな」


目を上向いて考える仕草を見せた芽衣子ちゃんは「って、私もまだ半年も勤めてないからなー」と言う。


「私より、ひまちゃんのが勤めて長いよ。五年だもんね?」


芽衣子ちゃんに話を振られたひまちゃんは、メニューを見ていた視線を上げる。


「まぁ、五年だけど、私は食堂だもん。あんまり病院の先生たちとは絡みもないし、パートの噂好きのおば様たちから噂話とかしか聞かないし」


あの大学病院の食堂で、かれこれ五年も働いているというひまちゃん。

「噂話でもいいよ!」と身を乗り出す。

再びメニューを眺め出したひまちゃんは、うーんと少し唸り、「ああ、先生といえば……」と話を切り出した。


「脳外科の先生が超絶イケメンだって、うちのパートのおば様たちはいつも言ってるな」

「っんぶ!」

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