【医者恋シリーズ3】エリート外科医の蜜甘求愛
直球ど真ん中ストライクに話題に上がってきて、思わず吹き出しそうになってしまう。
「大丈夫?」ととなりに座る芽衣子ちゃんが背中をさすってくれた。
「え、それって……」
「市來先生? おば様たちには〝ドクター市來〟なんて陰で呼ばれてるよ」
そう言ったひまちゃんは、メニューを差し出し「私、もう一杯生にする」と言う。
芽衣子ちゃんは大してメニューも見ずに「私は生レモンサワー」と次のドリンクを選んだ。
「雪音ちゃんは何にする?」
「あー、私は、今日は一杯だけにしとこうかな。昨日、飲み過ぎちゃって。烏龍茶にする」
なるほど……。
食堂のおば様方にも大人気、と。
確かに、今日あの広い病院内を歩いていても、あのレベルの医師を見かけることはなかった。
目立つことは間違いない。
「でも、私もこの四月に勤務してから、先輩たちに言われたな。脳外の市來先生は一見の価値ありだから!とかって」
「一見の価値あり⁈ あれ、芽衣子ちゃんって、今何科にいるの?」
「私? 小児病棟だよ」