【医者恋シリーズ3】エリート外科医の蜜甘求愛
診療科目が多数ある大学病院。
一般開業医と違って、勤務するドクターやスタッフも全員が顔見知りというわけでもない。
それでも、市來壮介という人は各所で話題になるほどらしい。
「でも、確かに納得だったもんね。先輩たちが言うだけあるもん」
届けられた生レモンサワーのジョッキを片手に、芽衣子ちゃんはうんうんと頷く。
「肩書き外科医。長身のイケメンで、噂によると、人当たりもいいとかって聞くし」
確かに、脳神経外科の先生って肩書きはハイスペック。
長身のイケメンも間違いないけど、人当たりは本当にいいのかな……?
なんか、今日とか威圧感だった気がしたけど。
「イケメンはイケメンでもさ、なんか醸し出てる雰囲気にスペシャル感があるよね」
「あっ、そんなようなこと、うちの食堂のおば様方も言ってた! オーラ放ってるとかって」
「そうそう、オーラ! でもそういうの出過ぎてても近寄りがたいよね。良かった、脳外とかに配属されなくて……」
二人の絶賛ぶりにたじたじになってしまう。
置かれた烏龍茶をゴクリと流し込んだ時、テーブルの上に置いた二台のスマホのうち、会社から支給されている方が知らない番号で着信し始めた。