【医者恋シリーズ3】エリート外科医の蜜甘求愛
「ごめん、ちょっと仕事の電話だ。出てくるね」
盛り上がる二人に断りを入れ、スマホを手に急いで店の入り口へと向かう。
店内は騒々しいから、店前まで出てから応答をタップした。
「お待たせしました、メディカ新薬工業、中条です」
『関東医科大の市來です』
「はい、お世話になっており――えっ!」
想定外の相手に、思わず仕事の応対らしからぬ反応をモロ出してしまった。
「あ、は、はい、お世話になっています……」と、とりあえず染み付いた挨拶が口から出てはきたものの、語尾がごにょごにょと消えていく。
『ずいぶん賑やかなとこにいるな』
「えっ、いえ、そんなことは……」
『まさか、今晩もやけ酒ってわけじゃないだろうな?』
「ちっ、違います!」
何⁈ 失礼なんですけど!
って……昨日ひどい状態を晒したのは私なんだから、こう言われても反論のしようがないけど……。