【医者恋シリーズ3】エリート外科医の蜜甘求愛
オブラートに包んで〝ちょっと〟なんて言ってみたけど、結構かもしれない。
実際、昨日一日でかなり神経をすり減らした。
まぁ、その前の晩にプライベートで出会ってしまっていたからっていう部分が大きいのは確かだけど……。
それに、かなり女性に慣れているのではないかと思う。
扱いがというか、言動がというか、そういう空気を纏っている。
一昨日の夜のことを思い出してみても……と思い返して急激に恥ずかしくなり、それ以上を考えるのを強制終了した。
もし、あの夜に出会っていなかったら、そんなことは思わなかったのかな……?
「あら、どうして? 市來先生、すっごくいいドクターよ?」
「え……そうですか?」
多喜子先輩と私の声のトーンにかなりの差がある。
それに、多喜子先輩は弾んだような喋りだ。
「え、えっ、めちゃめちゃイケメンじゃない!」
「え、そこですか?」
「何、中条、あれがイケメンじゃなかったら何がイケメンというの?」
「いえ、そういう意味じゃないですけど……」
イケメンだということには、もちろん異論はない。
「まさにスパダリよ、市來先生は。それを鼻にかけてないのがまたいいの。誰にも気さくだしね、患者さんの信頼も厚い」