【医者恋シリーズ3】エリート外科医の蜜甘求愛
患者さんの信頼……。
へぇ……そうなんだ。
「私もね、前に貧血で具合悪くなっちゃったことあって。その時、市來先生が面倒みてくれたんだよね。独身だったらさ、もうコロッといっちゃうわよね、旦那がいたってちょっと危なかったけど」
ご主人が見たら絶対ショックを受けるような調子で、多喜子先輩はハートを撒き散らしながら熱弁している。
しばらく熱いトークが続き、メールチェックを続けながら耳を傾けていた。
例えば考えようによっては、あの夜の翌日会社に出社したら、別の営業所から異動してきた人が一夜の過ちの相手だった、なんて漫画にでもありそうな展開でなかっただけマシだったかもしれない。
毎日会うわけでもない。
会っても、用が済めばおしまいで、仕事を共にする相手というわけでもない。
なんとかプラスに考えて、これから上手いことやっていくしかない。
そう気持ちを改めた。