【医者恋シリーズ3】エリート外科医の蜜甘求愛
一人暮らしの家に帰ってもどんよりしてしまいそうで、とりあえずたまに行く一人でも飲める居酒屋を訪れた。
大衆居酒屋のように賑やかすぎず、かといって落ち着きすぎてもいない店内は、私のように一人のお客が入りやすいよう、個室のように仕切られた作りになっている席が多くある。
ビルの二階にあり、広いワンフロアに店を構えていて、窓際に沿って用意された席は外を眺めながらお酒を飲むことができるのだ。
二時間ほどそこで一人ちびちびと飲み、何時だろうと気にした時は二十時を回っていた。
生ビールのジョッキから始まり、果実のサワーを数杯、そして梅酒のロックも数杯飲んで、気分はふんわりいい感じになっている。
「帰ろっかな……」
我に帰ると一人で飲んでいることがまた寂しくなってきて、残りの梅酒をぐいっと飲み干す。
「こちら、一枚どうぞ」
伝票を掴みお会計をしに行くと、支払い後、三千円以上でクジを引けるとチケットが手渡された。
そこには、最近この辺りで見かけるポスターの絵柄が印刷されている。
地域で催している都市開発のイベントの一環だろうか、それに加盟している店舗を利用した人が参加できるクジ引きのようだ。