【医者恋シリーズ3】エリート外科医の蜜甘求愛
「もう一回告白したら、うまくいくんじゃん?」
痛んだ胸が今度は圧迫されて、息苦しさを感じる。
どうして、そんなことを言うのだろう。
そう思ってみて、急に切なく、自分が惨めなような気分が押し寄せた。
呆然とする私を前に、市來先生は「あんなにショック受けて泣くくらい好きだったんだしな」と、容赦なく続ける。
どうでもよさそうな態度を前に、意識とは別に口が開いた。
「じゃあ……どうしてキスなんかしたんですか?」
私を見る先生の表情から、ふっと笑みが消える。
とんでもないことを言ったと気付いた時にはもう遅かった。
「そんなこと言うなら……優しくなんてしないでください!」
重なり合った視線が、時間を止めてしまったように私たちを静止させる。
重苦しい沈黙が落ちて、「失礼します」と逃げるように診察室を後にした。