サッカーの王子様
保健室で芽生えた違和感
「そ‥ら…ちゃん」
声が聞こえる…
男の子の声…
苦しそうにかすれた声…
必死に私を呼ぶ声…
誰なの?
顔が見えない…
いや違う…
見えないんじゃなくて
思い出せないんだ…
男の子は膝を抱えて
うずくまっていた。
でも
必死に私の名前を呼んでる…
膝を抑えながらも
私の所に来て
肩を揺すってくれていた…
真正面にあるはずの顔が…
分からない…
そこの部分だけ
まるで
モザイクをかけるように
思いだすなとでもいうように…