サッカーの王子様
新しい教室
『もう!
優羽足早すぎだよ~!!
私も優羽に振り回されっぱなし~』
私がそう言うと真実も続けて
「ホントだよ!
ってゆうか私今日2人に振り回されてるんだけど?
1番振り回されてんの私じゃん!!」
とごもっともな意見を言って無邪気な可愛い顔で笑った。
廊下で話していると教室の中から
ざわざわと話し声や笑い声くしゃみ(笑)etc…
まで聞こえてくる。
「そろそろ教室入ろう~」
最初に真実がそう口を開いた。
だから私と優羽は返事をするかわりに笑って頷いた。
優羽はちゃんと笑ってたけど私は…どうだろ?
うまく笑えてたかなぁ?
そう思うと余計不安になって足がガクガク震えてきた。
どうしよう…緊張なんてもうすでに溶けていたはずなのに…。
そんな私の様子に気づいたのか優羽はめったに見せない
母親のような優しい笑顔で
「大丈夫」
と口パクで言ってくれた。
そんな私の様子に真実も気づいてくれたみたいで
ニコッと笑いかけると私の右手を握って
上下にブンブン振り回した…
びっくりしたけど
2人のそんな些細な行動のおかげで私は気分が軽くなった。
2人に心の中で感謝をしながら
2人と一緒に教室に入った…