サッカーの王子様
すると私の隣の隣から
《ハァ━》
というあからさまに大きなため息が
聞こえてきた。
私の隣は真実。
つまり真実の隣。
だから今の大きなため息は
優羽…?
そんなバカみたいなことを考えて、
1人納得した私は優羽の前に立って
『どうしたの?』
と聞いた。
すると優羽は、
「だって、
私の周りにいる人たち知らない人ばっかだし。
真実と空は前後で良いなぁ。
って思っただけ。」
と沈んだ低い声で言った。
すると真実は、
「でも私たち結構席近くない?
優羽は廊下側の1番後ろの席でしょ?
間に男子はさむけど一応隣っぽいよ♪」
と明るい口調で話した。
そのおかげでまた空気が和む。
優羽は
「そうだね。真実がそう言うならそう思うようにするわ。」
といつも通りの冷静な口調で言った。
「うん‼」
自分の言葉に納得してくれたのが嬉しかったのか
ニコニコそう頷く真実。
そんな2人のやりとりを見てると、
なんだか私まで嬉しい気持ちになれた。