サッカーの王子様
私は顔を上げて声の主である星村君に目を向ける…
すると変わらない笑顔で私を見ていて
私に手招きをしていた…
手招きされるとキュンとする…
もしもコレで
「こっちにおいで…空」
なんて言われたら私…
絶対に腰抜かすよ!?
それかシッポ振って喜ぶような勢いで
星村君のとこまで行くかも…
当然そんなこと言われる訳ないけど…
私はありえない考えをかき消して
星村君の元へと向かう…
正直さっきは星村君が
私に気づいてくれたことで喜びを感じてたけど
今考えるとそんなに喜べない気がする…
私って目先にあるものだけしか見えてなかったんだ…
だって私の苦手な状況じゃん今…
星村君のことを
“翼”
そう呼び捨てで親しげに呼ぶ女の子…
星村君の隣にいる…