サッカーの王子様
「だって~からかいやすいんだもん♪私そら気に入っちゃったぁ☆」
そう言ってにっこり笑う由希菜ちゃん…
「月岡さん…気をつけたほうがいいよ?多田さんはトドらしいから…」
真剣な顔をして言う星村君…
でも…トドって?
不思議に思った私は
『え?トド?』
そう聞き返した…
すると
「ハア~」
とワザとらしい大きなため息が聞こえた…
ため息をこぼした張本人は由希菜ちゃんだった…
「ハァ…つばさ…あんたどんだけ天然なの?つ~かバカなの?」
呆れ顔で言う由希菜ちゃん…
それを聞いた星村君は
「俺なんか変なこと言った?」
と人差し指で自分を指差してキョトンとした顔で言った…
「言った!!」
すかさずツッコミを入れる由希菜ちゃん…
それでも分かってない様子の星村君は首を傾げている…
そして
「月岡さん…俺なんか変なこと言った?」
と私に聞いてきた…
『あっあの…トドって言ったことじゃないの?』
私がぎこちない口調でそう言うと
由希菜ちゃんが
「そのとおり!!」
と言った…
「えっ!?だってトドって言うでしょ?人をいじめるのが好きな人…」
それって…サドじゃ?
また由希菜ちゃんは大きなため息を着いて
「それはサドでしょ?」
と疲れたような顔をして言った…