サッカーの王子様
彼は笑顔を向けてはいるけど
やっぱり感じ悪いとか思ったかな?
そう思われるのは…嫌だ
なんかすごく嫌だ
訂正しなきゃ
そんなことを思い口を開こうとすると
彼は握手の手を離し
「キミの名前は?」
私の瞳をまっすぐ見つめそう聞いてくる。
彼はあまりにもまっすぐでためらうことなく
私を見つめながら聞いてくる。
私は彼を見つめ返すことなんてできなくて
小さい子が照れ隠しでするみたいに
制服のスカートをギュッと掴んで
砂のついた彼のローファーに視線を落とし
『月岡 空…。』
そうか細い声で答えた。
声絶対うわずってる…。