悪魔に恋した少年
とはいえ、当の本人達はその事を忘れてる。
「悪魔が人間の命を引き延ばしたか……もしあの時少年が死んでいたら……」
俺が少年を庇った両親の魂を刈る事はなかったのかもしれない。
自分の手は赤く汚れている。
そんな事、天使なんかに言われなくてもこの黒い羽が生えてる時点で分かってた筈なのに。
彼女の「「私は人間の役に立てるならどんな事もするわ」」という一言に胸を打たれたなんて。
後何人の人間の魂を刈れば俺はこの世から消えてなくなれるなのだろうか。