悪魔に恋した少年
三咲 ~透side~
達成からレッスンが終わったという連絡が来て俺は駈け足でレッスン室に戻る。
戻ると丁度彼女がドアを開ける所だったらしく「…何?」ときつく睨まれた。
彼女は俺の事を気付いてるんだろうか。
寧ろ覚えているんだろうか…。
もう小さい頃の俺じゃない。
「三咲(ミサキ)ちゃん、俺だっ!立花透だ」
廊下に居る子達がすれ違い様に振り返る。
だがそんな事、今の俺には気にならなかった。
「…知ってるよ。そんなの最初から気付いてたし。で?それが言いたかっただけ?」
未だに機嫌が悪そうな彼女。
昔のいつも笑ってた彼女からは想像出来ない。