悪魔に恋した少年
「……っ!!悪魔だからとか人間だからとか関係ねえよ!肝心なのは君の気持ち…!そして俺は君ともっと仲良くなりたいと思ってる」
「私の気持ち……?」
「そう!」
前にもそんな事を忠史に言われた事がある。
「「結局最後に決めるのは自分だ。だから自分の意見をしっかり持てよ」」と。
私の気持ちは……私の気持ちはこの人ともっと近づきたい!
「私も透君と仲良くなりたいですっ」
「本当にそう思ってる…?」
疑う目でみられ必死に頷けば「なら、名前教えて。君の」と最後には安心した様に笑う。
その仕草が可愛らしく感じた。
「紗奈っ…私の名前は紗奈ですっ!」
自分でもビックリするぐらい大きい声が出る。
「紗奈か、了解。これから宜しく」
伸ばされる手を握り私は彼とこの時握手を交わした。