悪魔に恋した少年
ドラマの撮影 紗奈side
ドラマの撮影があると聞いて。
私は最初は断ったが透君がどうしてもという事で現場へ来た。
そこには私の知らない顔をする彼がいる。
「紗奈っ、お前まだ人間界に居るのか…」
そして偶然にも忠史もいたのだ。
何でと聞けば冷たい声で
「お前は俺と違って純粋な悪魔だ、誰かを不幸にしないと、人間界に居れば力が尽きて消えてしまう」
と、いい放つ。
そんなの自分でも分かってる。
悪魔は人間を不幸にしなきゃ人間界に長居できない。
そんな事を考えて居たら忠史が空に向かって手をあげた。
力を使う気だ。それに気付き、私は止めようとした。
でも、一足遅かった…。
「雨よ、降れ」
その言葉と共に雨がザーザーと降りだす。
スタッフさん達は慌てて、機材を片付け出した。