悪魔に恋した少年
複雑な心境 透side
紗奈の義理の弟、忠史と出会い数日が経過。
彼女が消滅しない為には魔界に戻るか人間に悪戯するかしか方法はないらしい。
悪戯なら俺にしてくれれば。
それで彼女が人間界に居ても大丈夫なら俺はそれでもいいと思った。
でもきっと彼女はそれを嫌がるだろう。
優しいから。
「ちょっと、透君っ!今の所、ミスってるわよっ」
おおっと、、今は今度の音楽番組に出る時に踊るダンスの練習中だ。
むすーっとする三咲に少し困惑する俺。
テレビで三咲を見かける事はあるけどこんなむすーっとした表情はしない。
むしろいつも笑顔で笑っているイメージ。
最初の頃こそアイドルなんてと思ってたけど俳優業と違ってこれはこれで大変だったりする。
歌ったり踊ったり普段出ないバラエティー番組に出た時は自分はこんなにもトーク力がなかったのかと消沈したものだ。