悪魔に恋した少年
天界 冴凪side
それは俺が天界の学生だった頃。
妹の由良(ユラ)の様子がおかしくなった。
そんな由良は手袋を嵌めながら笑顔で言う。
「お兄ちゃんもうすぐ研修で人間界行くんでしょ?私の言ばかり気にしてちゃダメだって!!」
その時の俺は研修よりも由良の手袋が気になって気になってしょうがなかった。
昔、祖母から女神の話しを聞いた事があった。
次期女神に選ばれる者は手の甲に羽のマークが浮かび当たるという。
最初はまさか。と思っていたが。
本人に直接聞けば笑いながら否定をするがその日は俺の研修の日よりも先に来た。
由良は天界のお偉いさんに俺の目の前で連れてかれてしまったのだ。
最後に「嘘ついてごめんね」と笑顔を残し。
それ以来、俺は天使というものが全て信用できなくなった。