夏×シロ
___ヤバイ

今の状況を言うと、そう。やばいのだ。

とてもヤバイ。

だって、私の顔がすごく気持ち悪いんだもん。

ニッヤニヤしすぎて周りの人にめちゃくちゃ気持ち悪がられてる。

パンッと手で顔を叩き、顔の緩みを整える。

「ふぅー、ふ、ふ、うふふ」

おっとまた顔の緩みが。

落ち着け落ち着け私。いやいや無理だようん無理。

だって!!!だって!さ?!あのイケメン小玉くんの連絡先を手に入れてしまったんだよ?!

ヤバすぎるよ、私どうしたんだろう。モテ期?モテ期なのか?

___と、そんなことを考えてると家に着いたようだ。

ガチャっと家の鍵を開け、扉を開ける。

靴を脱ぎ終わるや否や、ベッドにダイブする。

私は一人暮らしをしている。だからこそ、こんなだらしがない生活ができる。

なんで一人暮らししてるかって言うと、昔のある事がきっかけで。

その事は、めんどくさいから後で話そう。


___ピロン


え、あ_______

「小玉くんからだ!!!!」

思わず声が出てしまう。

「えぇっと、"これからよろしくね、日向さん。"」

こんな短文でも顔が緩んでしまう。

だって、とても嬉しかったんだもの。さっき交換して今、私にメッセージを送ってくれてる。

なんとも嬉しすぎる。それだけ私が面白かったのだろうか。

もしかして、好き_________、なのかもしれない。

だめ、だめだよ、私なんかがもう、恋愛なんてしてはいけない。

あんなこともう言われたくないからね。

頭にあの事がフラッシュバックする。

"「__________好き、だったよ」"

この言葉。

「あ、れ...」

思わず涙を流してしまう。

私はこんな弱虫だったろうか。いや、"強い人間"を演じていただけなのかもしれない。

それなら私は女優になれるだろうか。

なんて、馬鹿なことを考えるのは、やめよう。

「返信、しなきゃ」

そう口にし、即実行する。

「え、えっと、なんて送ろう。めっちゃ緊張する」

さっきから手汗がすごい。

早く打たねば。早く、早く。あちらに迷惑をかけてはいけない。

「メッセージありがとうございます、えっと、こちらこそよーろーしーく、っと」

こんな感じかな。大丈夫かな。変なとこない?ほんとに大丈夫?

「大丈夫な、はず、だよ、ね」

よし、と意気込み、私は送信ボタンを押す。

「送っっちゃったぁ、、」

顔に熱が集まる。

やはり、恋だろうか。

恋なんてもうしないって決めたのに。

もう、あんな辛いこと起こって欲しくないのに。


.
< 2 / 2 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop