キミがくれた世界
Episode1「未来か過去か」
僕はふらっと、空の散歩に出掛けた。
ここは湖の畔。
湖と木しかない、とても静かな場所。
…のはずだった。
「遊園地いきたい!メリーゴーランド!」
小さな子どもが騒いでいた。
「遊園地は高いから行けないの。メリーゴーランドもほら、今度お馬さんにのせてもらうんだから騒がないの。」
お母さんらしき人がなだめていた。
「ママはいきたいところとかないの?」
僕はその質問に飛び込んだ。
「ねぇ僕。君はどうして遊園地にいきたいの?」
「うーん、ケンタね、遊園地いったことないの。みんなみんな遊園地たのしいって自慢してくるんだもん!ケンタだけいったことなくて、バカにされるのもうやだ!」
ケンタ、と名のる男の子は僕にそう話す。
「ねぇ、ケンタ君。君がパパになってママのこと、遊園地連れていってみない?」
「えっ?お兄ちゃんそんなことできるわけないじゃん!」
「それはやってみないとわからないでしょ?」
「できるの?」
「うん。ほら、目をつぶって?」
僕はケンタ君の両手をとり、呟いた。
『ようこそ、俺が与えた世界へ。』
景色がめくるめくと変わっていく。
ここは湖のほとりなんかではない。
騒がしい遊園地だ。
「ケンタ。目を開けて?」
「なにが起きたの?ここはどこ?」
俺はケンタに鏡を見せた。
「大人になってる…。ねぇ、ママは?」
「君のママはあそこだよ。」
ママ、と呼ばれているのは泣いている迷子の小さな女の子の事だった。
「ほら、ケンタ。迎えにいかないと、ずっと泣いたままだよ?」
「ケンタ、ママ迎えいってくる!」
「おう。行ってこい。」
ケンタは走ってママ、を迎えにいった。
ママはケンタのことをパパと呼んでいた。
俺からしたら、これは全然不思議なことではない。
俺の力でこの世界を歪めたのだから。
ここは湖の畔。
湖と木しかない、とても静かな場所。
…のはずだった。
「遊園地いきたい!メリーゴーランド!」
小さな子どもが騒いでいた。
「遊園地は高いから行けないの。メリーゴーランドもほら、今度お馬さんにのせてもらうんだから騒がないの。」
お母さんらしき人がなだめていた。
「ママはいきたいところとかないの?」
僕はその質問に飛び込んだ。
「ねぇ僕。君はどうして遊園地にいきたいの?」
「うーん、ケンタね、遊園地いったことないの。みんなみんな遊園地たのしいって自慢してくるんだもん!ケンタだけいったことなくて、バカにされるのもうやだ!」
ケンタ、と名のる男の子は僕にそう話す。
「ねぇ、ケンタ君。君がパパになってママのこと、遊園地連れていってみない?」
「えっ?お兄ちゃんそんなことできるわけないじゃん!」
「それはやってみないとわからないでしょ?」
「できるの?」
「うん。ほら、目をつぶって?」
僕はケンタ君の両手をとり、呟いた。
『ようこそ、俺が与えた世界へ。』
景色がめくるめくと変わっていく。
ここは湖のほとりなんかではない。
騒がしい遊園地だ。
「ケンタ。目を開けて?」
「なにが起きたの?ここはどこ?」
俺はケンタに鏡を見せた。
「大人になってる…。ねぇ、ママは?」
「君のママはあそこだよ。」
ママ、と呼ばれているのは泣いている迷子の小さな女の子の事だった。
「ほら、ケンタ。迎えにいかないと、ずっと泣いたままだよ?」
「ケンタ、ママ迎えいってくる!」
「おう。行ってこい。」
ケンタは走ってママ、を迎えにいった。
ママはケンタのことをパパと呼んでいた。
俺からしたら、これは全然不思議なことではない。
俺の力でこの世界を歪めたのだから。