キミがくれた世界
俺はイチゴチョコクレープを受け取ったあと、そのへんにある小さなベンチに座ったが、美夜と名乗る女性はその後も俺のそばから離れようとしなかった。


食べながら彼女は俺に訪ねた。

「私、葉魔くんに聞きたい事があるの。」
「ん?」
「好きなひと…いる?」


俺は思わず吹き出した。

「は!?」

「私ね、ずーっと葉魔くんの事…」
「いやちょっと待ってください。なんでそうなるんですか?」
「だって…私、今まで誰からも相手にされなかったから…」
「どうして?」
「私の事みんな魔女って言うし、それからずーっと避けられちゃって…」
「うん。それで?」
「でも、あのときの葉魔くんは私の事避けないでくれたでしょ?」


僕は本当に何も覚えていなかった。


「あのときの世界に戻れたら、葉魔くんは私の事好きになったの思い出してくれるのかな?」

俺は美夜のことが好き?


…世界がどよめいた。


「葉魔…?」
「あ、うん。ごめん。」


僕は平然を保つのに必死だった。


なぜか美夜といると不思議な気分になる。

「美夜…さん。」
「美夜でいいよ。前はそう呼んでくれてたから。」


俺は美夜のなんなんだろうか…


また世界がどよめいた。

「ん…。で、美夜はなんでそんなに僕を知ってるんですか?…幼馴染みっていう回答以外でお願いします。」
「あ、敬語もなしで!」
「…うん。わかった。」


「んとね…」



…そこからの彼女はどこか様子がおかしくなった気がした。
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