剣心一如!~「教えてやろうか?恋の仕方」─香取くんの恋愛指南は辛く厳しく、超絶甘い!?
「たぁぁぁぁぁっ!」
パンッ!パァァーン!
(どうしよう、時間がないよ)
腕時計を確認する。多分もう残り1分を切っている。
激しくぶつかり合った竹刀を香取くんが弾くと、
「どぉぉぉーう!」
相手が振り被った。
(あっ…!)
「面ーーーンッ!!」
ほぼ同時に香取くんの竹刀が振り下ろされる。
そして相手の竹刀が香取くんの右胴を、香取くんの竹刀が相手の面を捕らえる。
パァァァァーーーン!!
静まる場内。
一瞬が長い時間にも感じられるような。
黄色い旗が上がる。制限時間だ。
と同時に赤い旗が三本上がった。
「面あり!勝負あり!」
(香取くんだ…香取くんが勝ったんだ…!)
竹刀を収め礼をする香取くんの姿が涙に滲む。
私は手の甲でぐいぐいとそれを拭う。
だって涙が邪魔したら香取くんの姿が見えなくなってしまうから。
(香取くん、すっごくカッコ良かったよ。
大好き…大好き!!)
* * *