剣心一如!~「教えてやろうか?恋の仕方」─香取くんの恋愛指南は辛く厳しく、超絶甘い!?

「剣道では、剣は心によって動くもので剣と心は一体、って教えられるんだ。だから正しい稽古をすることで正しい心を磨くことになる。

 久々に剣に真っ直ぐ向き合った時思ったんだ。
 俺は星宮に正しい心で真っ直ぐ向き合えてたんだろうか?って」

「真っ直ぐ…?」

「『稽古、つけてやるよ』なんて騙して、それでも自分の物にならない星宮を力ずくで奪おうとした。

 最低過ぎだろ、俺」

「香取くん…」

 自嘲する香取くんに私は抱き付く。


「でも香取くんはこうして私に真っ直ぐ向き合ってくれたもの!私は香取くんのこと大好きだもの!」

「星宮…」


 香取くんのきらきら潤んだ瞳が近付いて、幽かにりんごの香りがする吐息と共に唇が重なる。


「ん…」


 香取くんの腕が私の肩に回り、抱き寄せられて、そのまま深く口付けられる。
 頭の中が痺れるような甘い甘いキス─

 僅かに唇が離れて、私は無意識に零す。

「香取くん、キス上手い…」

「…お前と同じだよ」

「え…?」

「お前が初めて」


(え…だって…)

『今まで彼と付き合った人もクラスのマドンナとか社会人らしい年上の女の人とか高スペック女子らしくて』

ってのりかちゃんが言ってたのに…
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